読書

買ったった

週刊アスキー増刊号 2012年 10/16号 [雑誌]出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス発売日: 2012/09/10メディア: 雑誌購入: 5人 クリック: 209回この商品を含むブログ (10件) を見るcheero Power Plus 10000mAh 大容量モバイルバッテリー出版社/メーカ…

完全な矛盾『TRUCK and TROLL』(森博嗣)

森先生がどこかに連載したエッセイをまとめ、対談を加えたもの。 長く一線に留まっているアーティストを見て、共通して感じることは、相反する2つのファクタを持っていることだ。1つは、「変わらない」ことであり、もう1つは「常に新しさがある」ことだ。こ…

本格ミステリ大賞受賞記念・三津田信三作品にありがちなこと

第10回本格ミステリ大賞を三津田信三先生が昨年12月刊行の『水魑の如き沈むもの』で受賞した(私も読みましたけど面白かったです。おめでとうございます!)ということで、そんな三津田先生の2chにおけるスレ【ホラー】三津田信三・三【ミステリ】より、三津…

メガネ・メガネ・メガネ『さよならの次にくる(卒業式編・新学期編)』(似鳥鶏)

それ以前に私はあのフジツボという生き物が嫌いで仕方がありません。甲殻類つまりエビやカニの仲間で小さい頃は海の中を元気に泳ぎまわっていたくせに、大人になって硬い殻を作れるようになった途端岩にべったりはりついて縦のものを横にもしない生活を始め…

『ファミ通町内会二丁目』(週刊ファミ通編集部)

こちらは「大丈夫?ファミ通編集部の責任編集だよ?」という案の定(といっても前作以外にファミ通編集部の本を読んだことないのでほぼ風評ですけど)の出来。「ファミ通町内会」の名誉のために書いておきますが、本書はデザインを重視してネタの数を絞った…

『バカはサイレンで泣く'09』(天久聖一・椎名基樹・せきしろ)

最近のニュースを見ていまして、印象に残ったネタベスト3が戸塚宏3連発だった本書を読んでいたことを思い出しました(不謹慎ですいません)。本自体は前々作ほどではないものの、なかなか面白かったです。 ドジをした女の子が「てへっ」と言った後の戸塚宏の…

『ビッチマグネット』(舞城王太郎)

でも違うんだよ友徳よ。正論ってのは他人を正すためにあるんじゃないんだよ。正論ってのはあくまでも自分っていう潜水艦の周囲の状況を確かめるために発信するソナーなんだよ。自分が正しいと感じる、信じる意見をポーンと打って、返ってくる反響で地形を調…

『すっとこどっこいしょ。』(舞城王太郎)

『後藤さんと付き合ったのって、俺に対する何かの気持ちとかあった?』 意味判るかなと心配だったが、返信は 『いや、関係ない。でも、もっと考えてみる。もし梨木に対して何か悪意があったんだと判ったら、謝りに行かせてほしい』 だったから、ある程度通じ…

爆発熱量計、デブに際限なく降る夢、あるいは人間におけるエネルギー保存の法則 『やせれば美人』(高橋秀実)

まず、カロリーとは何か? 食品のカロリーとは、「爆発熱量計」と呼ばれる装置の中に食品を入れて完全燃焼させ、その際に発生する熱量を測定する。食品が持っている「エネルギー」ということである。人間が食品を食べると、原理的には燃焼と同様の反応(酸化…

大和田秀樹先生のサイン会に行ってきたでござる の巻

わたし「このたびはアニメ化おめでとうございます」 HIDEKI「どうも」 わたし「これでまたギョーカイ時事放談で泥酔する口実ができましたね!」 HIDEKI「(イラスト・サインをしながら)呼ばれるんでしょうか……でもお酒飲むと楽なんですよね。何も考えなくて…

ナベツネインタビュー「本来ならドラフトなんかなしにね、自由競争にすべき」

雑誌『BRUTUS(ブルータス)』7月15日号より、ナベツネこと渡辺恒雄読売巨人軍取締役会長インタビュー。「本来ならドラフトなんかなしにね、自由競争にすべき」「良識ある伝統的な球団だけで1リーグを作ろうと考えた」というもはやある種の様式美さえ感じる…

津原泰水 on Twitter(津原泰水『百歳の少年』)

時間についてまじめに考えたこと、ある?津原泰水 (@tsuharayasumi) | Twitter 津原泰水 (@tsuharayasumi) | Twitter 円城塔先生*1に続いて、津原泰水先生がTwitter上に1行1post形式で新作小説『百歳の少年』を転記*2し始めた様子。モチーフとしては山下和美…

ノンフィクションの高橋さん『トラウマの国ニッポン』(高橋秀実)

個人的には「ノンフィクションだったらこの人を外せない」という当該分野では花山レベルの書き手だと思っている高橋秀実さんの文庫新刊。 「#2 ふつうの人になりたい――子供たちの夢」と「#12 自分とは何か――「自分史」を書く」あたりがお気に入りだが、な…

『Q.E.D. 証明終了(33)』『C.M.B. 森羅博物館の事件目録(11)』(加藤元浩)

それは違う 人は現実と夢を証明なしで区別できます 「パラドックスの部屋」 『Q.E.D.』のほうでは「パラドックスの部屋」、『C.M.B.』では「ファイストスの円盤」が良かったです。「ファイストスの円盤」みたいな動機には弱いんですよね……『C.M.B.』でなにげ…

陵南=南海説

鶴岡は褒めた方が伸びると判断して接した広瀬叔功に対して、野村については図太い性格だと思い、敢えて「怒られ役」扱いとして厳しく接したが、実際は野村が繊細な性格だったと気付くのが遅く、結果的に行き違いが生じてしまったと晩年述懐している。 鶴岡一…

『インタビュウ』『也寸美くん名演技』(津原泰水)

也寸美くん:大丈夫。だって嘘ばっかり書いてあるから。 記者:さっきは実話だと。 也寸美くん:だから嘘の実話。もしくは実話の嘘。 記者:矛盾しておられます。 也寸美くん:狐雨みたいなもんだよ。晴れなのに雨。 記者:すなわち、巧みにフィクションを織…

『不屈者』(後藤正治)

最近、ノンフィクション作家の後藤正治さんの著作(『咬ませ犬』『スカウト』『リターンマッチ』とか)を超面白く読んでいるのですが、その中の『不屈者』から気になったところを引用。 谷川流光速の寄せについて、「芹沢先生から示唆された点もあります」と…

舞城センセーが大学読書人大賞受賞

5月5日東京都美術館 講堂にて、公開討論会が行われ、舞城王太郎著『好き好き大好き超愛してる。』(講談社)が2009大学読書人大賞に決定しました! 6月中旬には、大賞受賞作家への贈賞式を行う予定です。詳細は追ってお知らせします。 「大学読書人大賞」…

甲斐谷忍先生インタビュー

http://www.kagoshima-u.ac.jp/pub/koho180/index.htmlより。気になった部分は「週刊連載を持っているときは、1週間のうち5日間をストーリー作りに費やします。具体的に何をするのかというと、近所のショッピングモールをぶらぶら歩いて空想。残りの2日で漫…

失敗して良かった、と言える人生を 『わたしの失敗』(産経新聞文化部編)

前のエントリで失敗をやらかしたつながりで。色々な人達の失敗談が語られていて面白かったんですが、やっぱりというか、水木しげる先生の話で「のんのんばあ」というお手伝いのお婆さんの影響でおばけや妖怪、あの世のことに興味を持ち、そこからさらに派生…

人間を描いていった結果がこれだよ!「安積班シリーズ」(今野敏)

安積がそう言ったとたんに桜井がさっと立ち上がった。村雨が席を離れるのをじっと待っている。まるで犬のようにしつけられていた。桜井は新米刑事なのでベテランの村雨と組ませている。このコンビは須田・黒木のコンビとあらゆる面で対照的だった。須田は部…

『マンガ 物理に強くなる』(鈴木みそ・関口知彦)

『マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー (ブルーバックス)』の原作者違いの続編。私が高校時代理系だったというのは既に常識ですが、そのようなことは今は昔と小学生の時分に戻った気持ちで読みました。 感想はなかなか面白かったです、…

You may meet a cow? 『たまさか人形堂物語』(津原泰水)

人形こそ自分、舞台こそ生活の場、嘘こそ真、夢こそ現――これら、私が見慣れてきた小さな世界での常識は、外の世界から見れば狂気に他なりません。(中略)現実は逆でして、世間が驚いたり喜んだりしてくださるのは、あくまで人形に対して、舞台に対してなの…

殊能センセーの新作短文に殊能スレが案の定な件

殊能将之 part47より。

猛々しくも甘い春のはじまり 『とらドラ10!』(竹宮ゆゆこ)

将来その子供たちが、乞食になろうと、腐敗した政治家になろうと、はたまた憂国の革命家になろうと、そんなことはこちらの知ったことではない。 そして、そんなことは、これを読んでいるあなたの知ったことでもないのである。 伊勢崎賢治『NGOとは何か』 本…

CYNTHIA THE D.O.A. 『ジェネラル・ルージュの凱旋』(高遠るい・海堂尊)

好きな作家さん二人がまさかの悪魔合体。よってこれは買わざるを得ない。 買った。459円。なんだか安いよ! たかとお先生にもちゃんと印税がいくのか心配。 ただ、紙質はあんまり良くないような。やっぱりコンビニにも置くから価格を抑えたのかなあ。 普通に…

6試合連続で打ったホームランが6試合連続で無効になった選手がいるらしい

コントみたいな話ですけど、1923年にアメリカマイナーリーグで本当にあった出来事だそう(ビル・ブリベックという選手)。私は織田淳太郎『ニッポン野球珍事件珍記録大全』で知ったんですけど、調べてみると初出は山崎武『野球博士のおもしろエンサイクロペ…

Pressentiment triste(悲しい予感)『退出ゲーム』(初野晴)

わたしはこんな三角関係をぜったいに認めない。(P7) 私も認めない。 それはさておきこの本『退出ゲーム』は、表題作であり日本推理作家協会賞の候補作にもなった「退出ゲーム」など4編収録の短編連作集です。ネットのどこかで「米澤穂信とかQ.E.D.が好きな…

ダメだよ!もっと自分の意見を言わなきゃ!でも、幸せにおなり『とらドラ!』シリーズ(竹宮ゆゆこ)

「――なあ、」 「なんだよ、やるんならひと思いにやってくれよ。俺ほんとのこと言うと注射って苦手なんだからよお」 「記憶を飛ばした後遺症でイカレちまったオヤジの話を憶えているか」 どうして今になってこちらを不安にさせるような話を蒸し返すのか――町田…

( ´w`)<やぁ、急に野球人と呼ばれてもねぇ、ナンチテ『野球人の錯覚』(加藤英明・山崎尚志)

Q.賭け事をする人はよく「ツキ」とか「流れ」という言葉を使いますが、先生はこういうものはどんな理由があって起きるものだと思いますか? ★事後の分析結果に見られる傾向についた名称。 森博嗣『臨機応答・変問自在』(P62) http://headlines.yahoo.co.jp…