『ビッチマグネット』(舞城王太郎)

でも違うんだよ友徳よ。正論ってのは他人を正すためにあるんじゃないんだよ。正論ってのはあくまでも自分っていう潜水艦の周囲の状況を確かめるために発信するソナーなんだよ。自分が正しいと感じる、信じる意見をポーンと打って、返ってくる反響で地形を調べるのだ。ソナーで道が拓けるわけじゃない。


『新潮』2009年9月号掲載。『阿修羅ガール』が微妙に合わなかったので、読み始めてお、女性が語り手か……と思ったりもしましたが、微妙に男らしい女性だったためか杞憂でした。