猛々しくも甘い春のはじまり 『とらドラ10!』(竹宮ゆゆこ)
将来その子供たちが、乞食になろうと、腐敗した政治家になろうと、はたまた憂国の革命家になろうと、そんなことはこちらの知ったことではない。
そして、そんなことは、これを読んでいるあなたの知ったことでもないのである。
伊勢崎賢治『NGOとは何か』
本編(短編集はまだ出るらしい)はこれにて完結の第10巻。何をいまさら、特に書くべきこともないですし、またしても内容のほうは悠然と割愛しますが、ひとつだけ。
私がこの最終巻を読んでいて、一番いい意味で裏切られたというか、感心したのが、本文は242ページまであるんですけど、219ページまで、作中の時間をぜんぜんすっ飛ばしてない*1んですよね。あの9巻のラストで二人で手をとりあって駆け出した直後から、その日の夜、次の日、そのまた次の日*2と、二人とその周りの出来事がしっかりと描かれていました。もう、それだけで私はサムズアップ、ゆゆこ先生の背中をバチコーンと叩いて「よくやったぁ!」と言ってやりたい気分になるのです。
- 作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/03/10
- メディア: 文庫
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