『マンガ 物理に強くなる』(鈴木みそ・関口知彦)

マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー (ブルーバックス)』の原作者違いの続編。私が高校時代理系だったというのは既に常識ですが、そのようなことは今は昔と小学生の時分に戻った気持ちで読みました。


感想はなかなか面白かったです、だけじゃあんまりなのでもうちっと書かせてもらうと、物理の中でも力学に内容を絞っただけあって、とても丁寧に描かれている印象。高校物理を最低限の内容を丸暗記することで乗り切ろうとして結果あんまり乗り切れなかった私でも、6章(力のはたらき)か7章(「質量」とはなにか)ぐらいまでは「そらそうよ」「まあええことよ」みたいな感じでなんとかついていけました。が、9章(観測者の立場)と10章(アインシュタインの相対論)は読んでて「おお、もう……(絶句)」だったので、また読み直してみます。あと、8章(わかるって面白い)は高校物理を最低限の内容を丸暗記す(中略)なかった私を諭すような良い内容だったので、かつての私と同じように高校物理を最低限の内容を丸暗記することで乗り切ろうとしている中高生はこの本を読んだほうがいいかもよと思いました。


下世話な視点。前作(『マンガ 化学式に強くなる―さようなら、「モル」アレルギー (ブルーバックス)』)だとメガネ男子な研究者の青年が元気系女子高生に教えるという体だったのですけれど、本作では天才女子高生が野球部エースに教える(他にサブキャラ二人)形式になっていました。あと、なぜ野球タグをつけたかというと、鈴木みそ先生の後書きに、生徒役を野球部のエースにしてしまった(いくつかの例えに野球を使ってしまった)後悔が書かれていたので以下引用。そりゃそうだよなあ。

当初二年くらいで出来ると思っていましたが、結局、五年もかかってしまいました。10年後も20年後も読み続けられるようなものを、と考えて描いておりますが、反省すべきところが多々あります。取り組み始めた5年前も、ちょっともう野球は古いかなぁとか感じてはいましたが、それから数年でこれほど急激に廃れてしまうとは思ってもいませんでした。


マンガ 物理に強くなる―力学は野球よりやさしい (ブルーバックス)

マンガ 物理に強くなる―力学は野球よりやさしい (ブルーバックス)