古畑任三郎の人間賛歌

せっかくなのでわたぬきっぽいのを。
あらすじ。いったん現場を退いた古畑は警察犬訓練所にいた。その古畑に現場復帰を要請する西園寺だったが……

「どうしてまた警察犬の指導員に」
「指導員じゃないよ。飼育係。み〜んな私が育てた。おたかさん。幡随院。むこうにいるのが春峯堂。そのむこうで走り回ってるのが二葉鳳翆……動物は嘘をつかないからね」
「力を貸していただけませんか。OKしてくれるまで今日は僕は帰りませんから」
「OKしないって誰が言った」
「え?」
「いつ迎えにくるかそればっかり考えてたんだよ。自分からさ、現場復帰言い出すの格好悪いじゃないか。まあね、昨日そう言ってもよかったんだけども、ちょっと勿体ぶってみました」
「それじゃあ」
「嫌いなんだよ犬が」
「嘘をつかない」
「だから嫌なんだよ。ず〜っとまってたんだよ。君のような人間が来るのを。ず〜っとね」
古畑任三郎スペシャル『黒岩博士の恐怖』(犯人役:緒形拳)より


「嘘をつくから人間が好き」とまでは言ってませんが、「犬は嘘をつかないから嫌」っていうのは古畑らしいと思います。もう一つ古畑らしいのは「おたかさん」とか「幡随院」って、全部それまでに登場した犯人の名前なんですよね。けだし名言である。