絶対計算エコノミスツ 『その数学が戦略を決める』(イアン・エアーズ)
野球の世界ではセイバーメトリクスがそこそこ有名*1なので、すごいんだろうなと思っていたら、絶対計算ここまですごかったとは……という感じ。直感と専門家があまりあてにならない話とか無作為抽出テストの話とか2SDルールの話とか、面白い話満載でした。中にはタイトルだけで小説の売り上げ予測ができる、なんて話もあって、Lulu Titlescorerにタイトルを入力して名詞や動詞の組み合わせがどうこうみたいな判別をしてやるとベストセラーになる確率が出せる*2。以下は印象に残った所を引用。
エンゲルマンは、実際につかえるかを無視した頭ごなしの哲学談義に基づく教育方針には猛反対する。「意志決定者たちは、有効性に注目して方針を選ばないのです。子供はどうあるべきかという自分たちの勝手な思い込みに沿って方針を選んでいるのです」とかれは語る。(P217)
娘がこれほど誇らしく思えたことはない。だがこのお話の主眼は、アンナの才能を自慢すること(だけ)ではない(賢い娘にはちがいないのだが、どう見ても天才ではない。なんとか彼女の知性を開眼させようといろいろ努力はしたが、まあかなり普通の子でしかない)。(P265)
- 作者: イアン・エアーズ,山形浩生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: 単行本
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