ようこそアラヤマハウスへ――『柳生雨月抄』(荒山徹)
やあ (´・ω・`)
ようこそ、アラヤマハウスへ。
慕漱蠡(モスラ)は序の口だから、まず落ち着いて読み進めて欲しい。
うん、「また朝鮮妖術と柳生一族」なんだ。済まない。
成り行きで隆慶先生の首も斬っちゃったしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、呉淑鞨(オスカル) と安兜冽(アンドレ)という女剣士の名前を見たとき、
君は、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この小説を書いたんだ。
- 作者: 荒山徹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/04/25
- メディア: 単行本
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以下、いつものように面白かったところを引用。
鄭仁弘にとってならば、友景は恨み骨髄に徹する仇敵である。(P147)
恨み骨髄って他の作品でもあった気がする。荒山先生が好みそうな表現ではありますよね。
疱瘡蟯伯爵――。その名の示すが如く、彼の実体は蟯虫である。古代朝鮮蟯虫だ。(P173)
何故言い切り口調か。
「我々は歴史を捏造し歪曲し、その捏造され歪曲された歴史を受け継ぎ、後の世代にも受け継がしめておるのじゃ。嘘も継承し続ければ真実となる。眞純、おまえとて高句麗が朝鮮史と信じて疑わなかったようにな。無論これは国家の最高機密なれど、喫緊の場合なれば、おまえに明かしたのじゃ」(P325)
朝鮮妖術師・鄭仁弘にこんな台詞を言わせる荒山先生。全開ですね。