ようこそアラヤマハウスへ――『柳生雨月抄』(荒山徹)


やあ (´・ω・`)
ようこそ、アラヤマハウスへ。
慕漱蠡(モスラ)は序の口だから、まず落ち着いて読み進めて欲しい。


うん、「また朝鮮妖術と柳生一族」なんだ。済まない。
成り行きで隆慶先生の首も斬っちゃったしね、謝って許してもらおうとも思っていない。


でも、呉淑鞨(オスカル) と安兜冽(アンドレ)という女剣士の名前を見たとき、
君は、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この小説を書いたんだ。


じゃあ、注文を聞こうか



柳生雨月抄

柳生雨月抄



以下、いつものように面白かったところを引用。


鄭仁弘にとってならば、友景は恨み骨髄に徹する仇敵である。(P147)


恨み骨髄って他の作品でもあった気がする。荒山先生が好みそうな表現ではありますよね。


疱瘡蟯伯爵――。その名の示すが如く、彼の実体は蟯虫である。古代朝鮮蟯虫だ。(P173)


何故言い切り口調か。


「我々は歴史を捏造し歪曲し、その捏造され歪曲された歴史を受け継ぎ、後の世代にも受け継がしめておるのじゃ。嘘も継承し続ければ真実となる。眞純、おまえとて高句麗朝鮮史と信じて疑わなかったようにな。無論これは国家の最高機密なれど、喫緊の場合なれば、おまえに明かしたのじゃ」(P325)


朝鮮妖術師・鄭仁弘にこんな台詞を言わせる荒山先生。全開ですね。