日本人に武士道をみせつける「オランダの巨人」−アントン・ヘーシンク

たまたまテレビ朝日を観ていたら次回のSmaSTATIONの宣伝で日本武道館の特集をすると告知していたので思い出した。
どんな内容が放送されるのかは知らないですけど、武道館であった様々なエピソードの中でも出色なのは、やはり東京オリンピック無差別級決勝で、ヘーシンクが神永を下したときのエピソードでしょう。

日本じゅうが悲嘆の渦にまきこまれている中で、会場で勝利を喜んだオランダ青年が祝福のため彼に駆け寄ろうとした。しかし、ヘーシンクにとって試合はまだ終わってはいなかった。彼は「けさ固め」を解いたばかりの姿勢から、右手を上げてオランダ青年に来るなと制止する。柔道にかぎらず日本の武道は「礼に始まり、礼に終わる」といわれる。礼とは人を思う心の表現を意味する。このときヘーシンクがいちばん心がけたのは、勝敗を決するために危険をかえりみず大技を繰り出してきた対戦者に敬意を払うことだった。両者が胴着を整え、あいさつを終えてから畳をおりるまで試合は終わらない。勝利の喜びはその後ゆっくりと味わえばよいのだ。
奇人発見伝 第38回 アントン・ヘーシンク

そのほか、「武道のスポーツ化」などについても触れられていて興味深いです。
あと、当時の写真とそれをライブで見ていた記者さんについてのJOCのページもあります。