『<乳首の長い女ブーム >に異議あり』(深堀骨)

SFマガジン11月号掲載。編集部からの解説曰く「そう頻繁に掲載しては見識を疑われかねないので、此迄は厳密に年壱篇と制限してきた」*1深堀骨の短編。おそらく深堀先生の当初のコンセプトは「シャラポアの付け乳首には憤慨した」だったと思うのですが、たぶん構想中に「憤慨」が「憂国」になり、シャラポアがどこかに行ってしまい、挙げ句の果てには乳首が伸びて一人歩きをしたんでしょう。そうとしか思えない。
内容のほうは、深堀骨さもありなんというか、深堀骨かくあるべしというか、特に前半が素晴らしいですね。二度ほど頭を抱えました。
加えて、土橋とし子さんのイラストも良いです。深堀作品に関してはこの人のイラスト以外は考えられないな、とこの短編を読んで改めて感じましたとさ。


S-Fマガジン 2005年 11月号

S-Fマガジン 2005年 11月号

*1:2003年には短編2篇とイラストストーリー1編を掲載(ただし2004年は掲載なし)しているにもかかわらず「厳密に」と書く編集部、作家も作家なら編集部も編集部だと思う