ボリス・コガン・エリツィン

ロシアの初代大統領ボリス・エリツィンさんが亡くなりましたね。個人的にはエリツィンさんといえば、「ウォッカ」「反大統領派のたてこもるビルを戦車で砲撃」「ウォッカ」「大統領選のPRで若者に混じってダンス→心臓発作」「ウォッカ」という印象なのですが、そのエリツィンさんに仰天エピソードが。(太字は引用者)

〇この話はその昔、佐藤優氏からじかに聞いたけれども、当時のモスクワでは「エリツィンは次にいつ、テニスをするか」がウォッチャーの注目点であった。テニスをした後、エリツィンはサウナに入る。するとそのときだけ、彼はシラフになるのである。その瞬間を逃さず、部下たちは決裁書類を提出する。かくしてエリツィンがテニスをした後は、ロシア政府の人事が発表されるというサイクルがあったのである。とまあ、それくらいムチャクチャな指導者であった。
かんべえの不規則発言4月24日より


さすが愛称が「酔っ払い」というだけあるエリツィンさんですね。それにしても、上記のエピソードを読んで、誰かを連想しませんか?そうです。我らが岩本虎眼先生です。普段は曖昧な虎眼先生はというと、

虎眼が心の平衡を取り戻すのは
秋から冬にかけてが最も多く
持続時間は長くて半日
そのわずかな期間に虎眼流の活動方針を示唆するのだ
シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)より


という感じで、ここに「普段は酔っ払いだけどたまにするテニス後のサウナでシラフになって国を動かすエリツィンさん」と「普段は曖昧だけど寒くなってきたりするとたまに何時間か正気に戻って虎眼流を動かす虎眼先生」という日露のカリスマの「普段はアレだけどやることはやる」という共通性が表れています。我々もそうでありたいものですね。
でもなんかこれだけではエリツィンさんがあんまりなので、最後にまた引用。確かにソ連解体は美事なソフトランディングだったと思います。

エリツィンは徹頭徹尾、有事の人であったということでしょう。普通、大帝国が崩壊する際には、戦争やら革命やらで大規模な暴力が伴うのが世の習いである。ところがソ連という巨大な軍事国家は、たしかにチェチェンなどの紛争を残してはいるものの、比較的、軽い被害とともに解体され、歴史の中に消えていった。それというのも、エリツィンがロシアの初代大統領となって、うまく解体過程を軟着陸させたからではないか。彼は1999年12月31日に、後継者をちゃんと指名して身を引いた。これでロシアは軌道に乗った。


〇そのエリツィンが、暗殺されることも投獄されることもなく、天寿を全うした。日本風に言えば、「畳の上で死んだ」。ロシアという新しい国にとって、まことに慶賀すべきことではないか。どことは言いませんが、大統領が辞めるや否や投獄されちゃうという民主主義国もあるじゃありませんか。
かんべえの不規則発言4月24日より


シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)

シグルイ 1 (チャンピオンREDコミックス)