『解決と「○ん○ん」』(ディスコ探偵水曜日 第三部)(舞城王太郎)

新潮2006年8月号〜12月号連続掲載。梗概を引用。

日本にやってきた迷子探し専門のアメリカ人探偵ディスコ・ウェンズデイは6歳の山岸梢を預かるが、ある日梢の体に《17歳の梢》がやってきて事態は混乱。《パンダラヴァー》に魂を奪われた《島田桔梗》まで《梢》の体に飛び込んできて拡大する一方の事件の全容を知るため《梢》の魂の待つ福井県西暁町、推理作家・暗病院終了宅《パインハウス》へと乱暴な和菓子職人・水星Cを連れて向かうが、暗病院の死にまつわる推理に破れた名探偵たちが次々に死んでいる。


ほんとだいたいこの通り。あ、推理を間違うと死ぬっていうのは目に何か刺されて死ぬのね。あと、主人公が事件の「文脈」についてあれこれ悩んだり、「実は〜だったのです!」と推理を披露した探偵が速攻で目に箸を刺されて死んでたり、トリックがぞんざいに消費されたりして、相変わらずミステリ的なガジェットとか文学的なテーマとかは手段であってそれ自体どうでもいいもんねバーカバーカという感じなこの王太郎先生、ノリノリである。別にノリノリなのは(作品も面白いので)いいのだけど、これが完結しないと奈津川サーガの新作が出ないような気がするのでなるべく早く完結させてください。
ちなみに「暗病院終了」は「あんびょういんおわる」と読みます。良いセンス。