『立喰師、かく語りき』(押井守)
対談ばっか。でも、この人の話は音声だと聞き取りづらいので、
こうやって活字にしてあるとファンの人は助かるだろう。
例によって面白かったところを引用。
自分が落ちこぼれたから学生運動に行ったのか、学生運動に深入りしたから落ちこぼれたのか、どっちだろうって(笑)。(P169)
この間の『ハウルの動く城』だって、「CG使ってないんだ」って宮さん(引用者注:宮崎駿)は言い張ってたけど、現場の人間は使いまくっているよ。あの人が知らないだけだよ。まるきり裸の王様じゃないか。それだったら、自分の手でやったほうがよっぽどましだ。いや、わかりやすくて面白いから、つい、いつも宮さんを例に出しちゃうんだけどさ(笑)。(P202)
なんだかわからないものが一番嫌だっていう。それはあるみたいだよ、本当に。
特にネットを見てるとそういう感じがするんだけど、今の若い世代って、カテゴライズするために情報を集めてるような気がする。でも、カテゴライズすることそれ自体では、何ものでもないわけじゃない。一つの立場の表明ではあるけれど。そこから先、何をするんだろう。(中略)そのカテゴライズしたものっていうのは、自分の評価軸がちょっとぶれただけで、一瞬にして検索不能な情報の大群になっちゃうわけじゃない。そのことのほうが恐ろしくないんだろうか。(P239)
あと、『千と千尋の神隠し』を「あれは棺おけに片足つっこんだ映画だよね」と言ったりしてて面白い。
- 作者: 押井守
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
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