『εに誓って』(森博嗣)

内容についてはまだ女装、いや助走だと思うので特に書くことないです。
海月くんの発言から引用。けだし名言であるですだすよ。

「今はただ、大衆は犯人の動機を知って、同情したり、あるいは怒りを新たにしたり、呆れたり、そんな反応の感情を抱きたい、ただそれだけのことです。そうじゃないと、どう反応すれば良いのかがわからない。反応できないものは収まりが悪い、というだけなのです。結局は、収納の問題で、レッテルを貼ろうとしているだけです」
(中略)
「テロや戦争においても、それはまったく同じです。人は、言葉で解釈し、その言葉で怒りを覚える。こうして怒りを煽り、人を動かして、戦いを始める。あるいは、自分さえも、その言葉に酔ってしまう」
「そういうふうに、君は考えているんだ」赤柳は微笑んだ。「冷めているね」
「冷めている、というのも、解釈ですよ」海月は無表情で言い返した。「それで納得したい、というのであれば、けっこうです」
赤柳はくすっと笑い、しかし、またテレビの映像へ視線を戻した。


とにかくユーモアを失ってはいけない、という話ですね。


εに誓って (講談社ノベルス)

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