『明日の記憶』(荻原浩)

明日の記憶

明日の記憶

広告代理店の部長なんだけど若年性アルツハイマーになっちゃった主人公、最愛の妻、結婚と出産を控えた一人娘、その夫、会社の部下その1(いい奴)、その2(悪い奴)、新入社員の女の子、一癖ある取引先の課長、陶芸教室の若先生、学生時代に陶芸を教わった老人、陶芸をするきっかけとなった親友(死亡)。


キャラ表(そんなのないですよ)を見ただけである程度の成功を予感させる小説。
「忘れること(わからなくなること)」を描いた小説にはアルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)という、ものごっついトーテムポールがあるのでそこらへんには深く踏み込まず、現実的にどういうことが起きるのかというディティールを書き込んだ作者は正しい。
ラストの処理も甘すぎず辛すぎずといった感じで手堅い作品。