『駿河城御前試合』(南條範夫)

駿河城御前試合 (徳間文庫)

駿河城御前試合 (徳間文庫)

ちょっと毒気にあてられてしまったので感想は箇条書きで。

  • 「剣豪小説」とされていますが出てくる剣士は剣豪というより剣妖や剣妄、剣憑といったほうがいいような剣士ばかり。
  • 色恋沙汰が流血沙汰に。各試合のラストはまさに「顛末」という感じがします。
  • 試合そのものの場面はだいたい1ページぐらいで終わる。登場人物が真剣で斬り合えば試合は1ページで終わるのだ。
  • 以下はあとがきからの話題。
  • 『無明逆流れ』が直木賞の受賞第一作かァ……
  • 『被虐の受太刀』『峰打ち不殺』『がま剣法』は『無明逆流れ』を書いたら文芸誌から「同じようなものを」と依頼され、「苦しまぎれにやった」作品らしい。いい時代ですね。
  • ノリオ名言。「作家と言うものは、どんなことでも空想できるものだ。それでなければ小説は書けない」

ちなみに上の書籍紹介は徳間書店刊になっていますが読んだのは河出書房新社刊(河出文庫)です。