第2回WBC全選手寸評・野手編
- 全試合全イニングを見たうえでの文章ではなく、印象だけで書いている部分も多い私的な寸評なので、間違いなどがあるかも。
- 参考はhttp://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/wbc/2009/japan/data/stats/player.htmlとかStatistics | MLB.comとか。
- 以下背番号の若い順に。投手編はこちら。
福留孝介(7試合 20打数 4安打 0打点 打率.200)
定期的に公式サイトがハッキングされる(参照:google:福留 公式サイト ハッキング)ことでおなじみのドメさんことfukudomeさん。前回のWBCでは「不調→いいところで打つ」という深イイ展開を見せるも、今回は微妙に不調のまま終わってしまった。気持ちを切り替えて、一刻も早く田口さんの日記のネタになるためにシカゴに帰るべきだと思う。
城島健司(9試合 30打数 10安打 1HR 4打点 1盗塁 打率.333)
アメリカでは別の名前(ジョージ・マッケンジー)で出ています、こと城島さん。決勝では5打数ノーヒットと元チームメイトの松中さんばりの置物化を見せるも、それまでは4割近い打率と角刈り風のヘアースタイルで下位打線を引っ張った。4番に置くと8の1で打率.125、7番や8番など下位に置くと22の9で打率.409なのでマリナーズ的には気楽に下位を打たせると吉。あとなにげにチーム内首位打者なのであった(以下、勝手に規定打席を9試合×3=27とする)。
栗原健太(2試合 3打数 0安打 0打点 打率.000)
負傷帰国した男・村田の替わりに「代表候補から落選を伝えられた当日も、自分は今日までは代表の一員ですからと言わんばかりにしっかり練習をしていた」という深イイ話とともに緊急招集された広島カープの4番・右の強打者。結果は出せなかったが、電波少年的WBCの旅のような召集の経緯を見ると責められない。あの異様な雰囲気の中でプレーした経験を新球場元年の広島でも生かしてほしい。
中島裕之(7試合 22打数 8安打 6打点 1盗塁 打率.364)
アメリカに渡ってから風邪で2試合を欠場するも、出場した7試合ではすべてに2番ショートとして出場し、6打点と活躍。特に準決勝と決勝では連続マルチヒットを記録するなど勝負強く、マジでチームになくてはならない存在だった。
片岡易之(7試合 13打数 4安打 1打点 4盗塁 打率.308)
東京ラウンドでは出番がなかった足のスペシャリストだが、アメリカでは風邪で欠場したチームメイト中島の代わりに2番打者として出場。その後の韓国との2試合でも出場、それぞれの試合で盗塁を決め、決勝の韓国戦では2安打を打つなど、積極的なプレーでチームに貢献した。4盗塁は今回のWBCで最多タイ。
岩村明憲(9試合 28打数 8安打 3打点 1盗塁 打率.286)
東京ラウンドでは9打数ノーヒットと鈴木さん以上に王大人から死亡確認がなされてもおかしくない有様だったが、アメリカに渡ってからの6試合では19の8で打率.421と中の人が替わったかのような大活躍。原監督の「セカンドはお前しかいない」的な期待にこたえた。
小笠原道大(9試合 32打数 8安打 3打点 打率.250)
こちらも東京ラウンドでは11打数1安打(打率.090)という有様だったがアメリカでは21打数7安打(打率.333)と復調した。5番ファーストとしては打点3はちょっと少ないように思えなくもないが、決勝では貴重な先制タイムリーを打つなどの活躍も見せた。ちなみに喫した三振10は今大会最多タイ。
阿部慎之助(4試合 6打数 1安打 0打点 打率.167)
マッケンジーがノムさんとのプロレスをするなど好調だったため、先発は韓国との順位決定戦1試合のみにとどまる。もう肩のほうは大丈夫なんでしょうか。
青木宣親(9試合 37打数 12安打 7打点 1盗塁 打率.324)
3番レフトまたはセンターとして全試合先発フル出場、ベストナインに選出される活躍。アウトになった当たりもある程度しっかりバットで捕らえた感じのものが割と多く、打率.324という数字以上の印象を残した。表彰式でMLBのセリグ・コミッショナーからメダルをかけてもらっていたが、「ウチ(MLB)来る?」なんて言われてたのでは、と妄想。かつてはポスティング制度バッチコイだったヤクルト球団も社長が替わって風向きが変わってきたようなので、超活躍→年俸アップ→超活躍→年俸アップ→ヤクルト傾く→これはポスティングせざるを得ない、という活躍を期待したい。
内川聖一(6試合 18打数 6安打 1HR 4打点 打率.333)
これは私が横浜ベイスターズファンだからというわけではないが、東京ドームでの3塁戦を抜くタイムリー、アメリカでの順位決定戦でのホームラン、決勝でのレフト守備、3安打……というとても印象深い活躍を見せた。よく考えれば(自身の天然魔送球やチーム事情のために)ショート→セカンド→レフト→ファースト→ライト→ファーストと、守備位置を転々としてきたからこそこの活躍があるわけで、人間何がためになるかわからないものである。決勝のバッティングを見ていて日本で最初に4割を打つのはこいつじゃないかと思ったのは、私が横浜ベイスターズファンだからだと思う。
村田修一(7試合 25打数 8安打 2HR 7打点 打率.320)
韓国との順位決定戦で走塁中に太もも裏を痛め、準決勝を前にして帰国。ベイスターズに帰った的な意味ではお星様になったといえる。犠牲フライが打てなかったりもしたが、東京ラウンドで見せた2本のホームランでWBCに爪跡を残す。
石原慶幸(1試合 0打数 0安打 0打点 打率.000)
「第三のビール」ならぬ「第三の捕手」(主にブルペン捕手の役割)としてチームのつなぎ役を務める。前回この役をつとめた相川のように、おそらく石原もチームになくてはならない存在だったのではないのだろうか。
亀井義行(3試合 1打数 1安打 0打点 1盗塁 打率1.000)
3試合に出場。思わぬリーダーシップを発揮するだけにとどまらず、韓国との順位決定戦では打席にも立ち、あっさりヒット、盗塁も決めてみせた。その前日のキューバ戦でイチローが13打席ノーヒットに心を折られかけていた光景とあわせて考えると、我々に野球というスポーツの奥深さを感じさせる事例だといえよう。戦前は守備固めならオリックスの坂口あたりを選べば良かったのにと思ったりしたが、そうなると韓国のトップバッターと少しキャラがかぶるので、そういった意味でも原監督の人選は正しかったのだと思う。勝ったし。
稲葉篤紀(8試合 22打数 7安打 0打点 打率.318)
この人も東京ラウンド不調(8の1で打率.125)→アメリカで復調(14の6で打率.429)のパターン。打点ゼロは不本意だろうが、打線のつなぎ役として活躍した。