第2回WBC全選手寸評・投手編
- 全試合全イニングを見たうえでの文章ではなく、印象だけで書いている部分も多い私的な寸評なので、間違いなどがあるかも。
- 参考はhttp://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/wbc/2009/japan/data/stats/player.htmlとかStatistics | MLB.comとか。
- 以下背番号の若い順に。野手編はこちら。
ダルビッシュ有(5試合 2勝 1敗 0S 13イニング 7被安打 20奪三振 防御率2.08)
数字だけ見ると普段通りの力を発揮したかのように見えるが、案の定アメリカに行ってからの屋外球場では8イニングを投げて4失点(防御率4.50)となかなか変化球でストライクが取れずに苦労した。修正能力が高いとされるこの国内最強投手の何を屋外球場は狂わせるのだろうか。
馬原孝浩(5試合 0勝 0敗 0S 5イニング 6被安打 2奪三振 防御率3.60)
5試合に登板、準決勝アメリカ戦では2失点を喫したものの、それ以外の4試合では任されたイニングをなんだかんだでゼロに抑えるなどチームに貢献。登板した試合で必ず1本はヒットを打たれているあたりは劇場型クローザーの面目躍如といったところ。
田中将大(4試合 0勝 0敗 0S 2.1イニング 3被安打 5奪三振 防御率3.86)
他の代表に選ばれた多くの先発ピッチャーと同様に、WBCでは中継ぎを務めたマーくんであったが、その中でもワンポイント的な、回の途中からの登板という難しい役割を多くこなした。特筆すべきはアウト7つのうち5つが三振という奪三振率の高さで、次回のシャンパンファイトではキャラ的にフルボッコにしたいが胴上げせざるを得ない空気になるような活躍が期待される。
松坂大輔(3試合 3勝 0敗 0S 14.2イニング 14被安打 13奪三振 防御率2.45)
ランナーを出したりして球数は費やしちゃうけど要所は締めるというふだん着ピッチングで3戦全勝。2大会連続MVPというWBC男ぶりには脱帽した。レッドソックスの監督は球数制限があって良かったと心底思っているのではないだろうか。
岩田稔(2試合 0勝 0敗 0S 1イニング 0被安打 1奪三振 防御率0.00)
韓国戦2試合に登板。東京ラウンドでは1イニングを四球でランナーを出すもなんとか抑えたが、2次ラウンドの登板では四球連発で押し出し。昨シーズンの課題だった四死球の多さが目立ってしまった。
岩隈久志(4試合 1勝 1敗 0S 20イニング 12被安打 15奪三振 防御率1.35)
チーム最多の20イニングを投げて防御率1.35。もうそれだけでMVPな感じだが、負けたら終わりのキューバ戦で6回零封、決勝の韓国戦で100球の球数制限がある中8回途中まで2失点。MVPでなくても、岩隈の投げた20イニングはMost Valuableな20イニングだった。
藤川球児(4試合 0勝 0敗 0S 4イニング 3被安打 3奪三振 防御率0.00)
一応の結果は出していたのにもかかわらず準決勝と決勝では出番がなかった事情、というのは外野からは窺い知ることはできないが、首脳陣から見て何らかの懸念があったことは確かなのだろう。シーズンでのフル回転を期待したい。
内海哲也(1試合 0勝 0敗 0S 2.2イニング 3被安打 2奪三振 防御率3.38)
韓国との2次ラウンド順位決定戦に先発、立ち上がりに先制を許すが3回途中までを1失点。先発の役割を果たしたとは言えないまでも、まずまずの露払い役をつとめた。
小松聖(1試合 0勝 0敗 0S 2.2イニング 0被安打 5奪三振 防御率0.00)
壮行試合での内容が良ければもっと出番があったであろう小松。上の内海のあとを受けてこちらは6回途中まで韓国打線をノーヒットに抑える好投。とにかくカーブが冴えていた印象で、この内容なら開幕戦でも心配ないだろう。
渡辺俊介(2試合 0勝 0敗 0S 2イニング 0被安打 1奪三振 防御率0.00)
事前情報では「対韓国戦の秘密兵器」的な触れ込みだったが、韓国戦の最初の2試合に登板、以後出番なしという秘密兵器的でない使われ方。秘密兵器の秘密であるゆえの使いどころの難しさを感じさせる秘密兵器ぶりだったように思うのは秘密だ。
山口鉄也(4試合 0勝 0敗 0S 2イニング 1被安打 0奪三振 防御率0.00)
ワンポイントまたはツーポイント(?)という感じで4試合登板。さすがに昨シーズン優勝争いのなかの厳しい場面で多く使われ、結果を出してきただけあって、そのうち3試合でしっかり役割を果たした。
杉内俊哉(5試合 0勝 0敗 1S 6.1イニング 0被安打 6奪三振 防御率0.00)
主に先発の後に投げる「第二の先発」としてチーム最多タイの5試合に登板。なんと6.1イニングをノーヒットに抑える。良いだろうとは思っていたがここまでで良いのは原監督にとって嬉しい誤算だっただろう。杉内は童顔だけどああ見えて意外と内に熱いものを秘めてるんですよエピソードとして「google:利き手はやめろブルガリア事件」をチョイスしていた清原さんは解説者として本当に優秀だなあと思った。