探偵役の方、お話はもうよろしいでしょうか。それでは殺人犯と被害者の二人にとって、初めての共同作業です『君の望む死に方』(石持浅海)
だから、どうせ死ぬのなら、君の望む死に方をしてあげよう。
私は、君に殺されることにしたよ。(P15)
一応倒錯ものと言っていいんでしょうか。面白かったです。引用文でわかる通り、殺されたい側と殺したい側がいて(そしてもちろんそれを防ぎたい探偵役がいて)、最終的に「人が死んでいる」(序文より)という状態になるまでを描いた作品なんですが、案の定探偵役はいちいち鋭いし、当然人間が他人の行動を思い通りにしようなんておこがましいとは思わんかねというわけで色々と思い通りにいかなかったり、ついには探偵役にひっかけられたり焚き付けられたり微妙によくわからない心変わりをしたりと、なかなかスリリングでありました。ラストも意味深で面白いですが、殺したい側の動機が普通で面白くないのと、探偵役の思想?がよくわかんないのはマイナス。
- 作者: 石持浅海
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/03
- メディア: 新書
- クリック: 36回
- この商品を含むブログ (94件) を見る